人参の栄養と健康効果

赤い色の成分リコピンの優れた効果

金時人参

 

さて、西洋系の人参のオレンジ色というのは前述のカロチンなのですが、金時人参などの赤い色の人参はリコピンといわれる色素でできています。この赤い人参の栄養と健康効果を語る上で欠かせない成分がリコピンです。

 

赤い人参が持ついろいろな栄養素の中でも特に注目すべき成分がリコピンであり、これはカロテノイドの一種です。カロテノイドというのは、例えば赤く見える野菜や、カニ、エビの甲羅にも含まれる赤やオレンジ色、黄色の色素のことで総称となっています。

 

基本的に赤緑黄紫の色素の野菜には全般的に含まれているのですが、赤い人参には結構豊富に含まれているということになります。

 

リコピンの大きな特徴は、抗酸化作用が非常に強いことです。最近では生活習慣病の予防、老化の抑制に対して効果が期待されています。リコピンの坑酸化作用というのはかなり強力で、前述した緑黄色野菜に含まれる「β-カロチン」の2倍以上であり、ビタミンEとなら100倍以上も差があるのです。

  • 老化の元凶はやはり活性酸素であり、活性酸素は通常の酸素よりモノを酸化する力が強い酸素です。人間が吸った酸素は、体内で栄養素と結びつけばエネルギーを作りますが、使われなかった分が問題で、酸化しまうのです。
  • 活性酸素は通常では体内に侵入した細菌などの異物を攻撃し、体内の酵素反応も促進したりするのでいいのですが、体内の消去機能で処理しきれなくなった分が問題で、強い酸化作用によって逆に遺伝子(DNA)を傷つけてしまい、脂質や蛋白質も変性させてしまうのです。そこでリコピンが役に立ちます。赤い人参の栄養における代表的な健康効果でしょう。

 


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